建築基準関係規定とは?

建築基準関係規定とは確認申請で適合させる必要のある各種規定について定義された、建築基準法の規定です。確認申請では建築基準法以外にも、消防法やバリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)、建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)など、適合していないといけないさまざまな法律や規定があります。

さらに、建築基準関係規定で定める規定には、法律、政令、省令の他、自治体で定める条例などを含むため、地域によって確認申請で適合させるべき内容は異なります。

この記事では、建築基準関係規定の建築基準法上の定義、主要な建築基準関係規定の一覧やチェックリストについて紹介しています。
※2021.1.9改訂(2013.10.29公開)

建築基準関係規定とは?建築基準法上の定義

建築基準関係規定とは建築基準法第六条の規定で、確認申請で適合させる必要がある各種規定について定義されています。

各種規定とは消防法やバリアフリー法、建築物省エネ法といった、建築基準法以外の建物に関する法律、政令、省令のほか、緑化条例のように自治体によって定められた条例なども含みます。つまり、確認申請は建築基準法だけに適合するようにしておけば良いのではないのです。

それでは具体的に建築基準関係規定の定義を見てみましょう。建築基準法第六条の一項にはこう書いてあります。

建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(中略)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模 様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以 下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する 法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、(中略)建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。

長い引用になってしまいましたが、建築主事に確認するのは建築基準法に適合しているかどうかではなく、建築基準関係規定に適合しているかどうかです。そして建築基準関係規定とは、建築基準法令の規定(基準法、施行令、施行規則、及び条例)と、その他建築物の敷地や構造・・・等に関する法律、政令、省令、条例も含むものであるということです。

主要な建築基準関係規定の一覧

第六条の「その他建築物の敷地や構造・・・等に関する法律」とは、建築基準法施行令第九条によれば、消防法や水道法、都市計画法などの十六の項目です。

実際の建築基準関係規定は、法律、政令、省令の他に自治体で定める条例を含むため、確認申請を提出する自治体によってその内容は異なります。

下の表は、兵庫県尼崎市の建築基準関係規定チェックリストをベースに作成した、主要な建築基準関係規定の一覧です。

法律名
対象条文
内容
消防法 第9条
第9条の2
第15条
第17条
火の使用に関する規制の市町村条例への委任
住宅用防災機器の設置
常設映画館等の映写室の規格
消防用設備等の設置及び維持
屋外広告物法 第3条、第4条、第5条 広告物等の制限
港湾法 第40条第1項 分区内の規制
高圧ガス保安法 第24条 家庭用設備の設置等
ガス事業法 第162条 基準適合義務
駐車場法 第20条 建築物の新築又は増築の場合の駐車施設の附置
水道法 第16条 給水装置の構造及び材質
下水道法 第10条第1項、第3項
第30条第1項
排水設備の設置等
都市下水路に接続する特定排水施設の構造
宅地造成等規制法 第8条第1項 宅地造成に関する工事の許可
流通業務市街地の整備に関する法律 第5条第1項 流通業務地区内の規制
液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律 第38条の2 基準適合義務
都市計画法 第29条第1項、第2項
第35条の2第1項
第41条第2項(第35条の2第4項)
第42条(第53条第2項)
第43条第1項
第53条第1項
開発行為の許可
変更の許可等
建築物の建ぺい率等の指定
開発許可を受けた土地における建築等の制限
開発許可を受けた土地以外の土地における建築等の制限
都市計画施設等内の建築許可
特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法 第5条第1項~第3項(同条第5項で準用) 航空機騒音障害防止地区及び航空機騒音障害防止特別地区内における建築の制限等
自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律 第5条第4項 自転車等の駐車対策の総合的推進
浄化槽法 第3条の2第1項 合併処理浄化槽設置の義務
特定都市河川浸水被害対策法 第8条 排水設備の技術上の基準に関する特例
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法) 第14条第1項~第3項 特別特定建築物の建築主等の基準適合義務等
都市緑地法 第35条
第36条
第39条第1項
緑地地域における緑化率
一の敷地とみなすことによる緑化率規制の特例
地区計画等の区域内における緑化率規制
建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法) 第11条 特定建築物の建築主の基準適合義務

 
建築基準法施行令第九条には、バリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)、都市緑地法、建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)は含まれていませんが、それぞれの法律に対象条文を建築基準関係規定とみなす規定があります。(バリアフリー法第十四条第四項、都市緑地法第四十一条、建築物省エネ法第十一条)

建築基準関係規定のチェックリストを紹介

建築基準関係規定で定める規定は、自治体で定める条例なども含むため、確認すべき内容は地域によって異なります。自治体によっては建築基準関係規定のチェックリストを公開している場合があるため、検索してみるのも良いでしょう。

以下は兵庫県尼崎市東京都新宿区北海道札幌市がそれぞれ公開している、建築基準関係規定のチェックリストです。

兵庫県の尼崎市が公開している建築基準関係規定のチェックリスト 東京都の新宿区が公開している建築基準関係規定のチェックリスト 北海道の札幌市が公開している建築基準関係規定のチェックリスト
各自治体が公開している建築基準関係規定のチェックリスト。(左から)尼崎市、新宿区、札幌市のもの

手戻りをなくすために早めに建築基準関係規定のチェックを

建築基準関係規定は多岐にわたるため、早めにおさえておくことで手戻りが防げます。また、自治体の条例なども見落とすと建築基準法違反となる場合があるため、注意が必要です。

建築基準法チェックの一つ目の事例「違法増築物件の適法改修−豊島区のオフィスビルの事例−」が建築基準法の第六条に違反していることになるのはこのためです。逆に、二つ目の事例「保育所・託児所等設置への障害−代官山の託児所の事例−」は建築基準法違反ではなく、バリアフリー法だけの違反であるのは、規模が100m2(当時。現在は200m2)に至らず、確認申請の提出義務に当らないためです。

単に条例違反で済まない(条例違反もして良い訳ではないですが・・・)内容が多いので、工事をしたり、本来の用途以外で建物を使う場合には、建築士の意見を聞くようにしてください。

建物の法律家・建築再構企画は、建築主(ビルオーナーや事業者)向けの無料法律相談や、建築士向けの法規設計サポートを行っています。建物に関わる関連法規の調査に加え、改修や用途変更に必要な手続きを調査することも可能です。詳しくは、サービスメニューと料金のページをご覧ください。

建築基準関係規定の関連記事

違法増築物件の適法改修−豊島区のオフィスビルの事例−
保育所・託児所等設置への障害−代官山の託児所の事例−
[人形町の用途変更事例]バリアフリー法に対応し、事務所から福祉施設への用途変更を実現
[渋谷区の用途変更事例]バリアフリー法に対応し、美容室から託児所への用途変更と内装設計
法律違反?条例違反?

建築士も読みたい建築のはなしtop