主要構造部を耐火(準耐火)構造にした建築物の竪穴区画

主要構造部が耐火(準耐火)構造の建築物で、地階または3階以上の階に居室があるものには、竪穴区画と呼ばれる防火区画を設ける必要があります。

この記事では、耐火(準耐火)構造である必要がない時に、結果的に耐火(準耐火)構造となってしまった建築物について、竪穴区画の取り扱いがどうなるかを条文や例示を交えて解説しています。※2020.8.30改訂(2013.11.28公開)

耐火(準耐火)構造になってしまった建築物の竪穴区画の取扱い

耐火(準耐火)建築物である必要がないにも関わらず、結果的に耐火(準耐火)建築物になってしまった建築物についても竪穴区画は必要となります。『建築物の防火避難規定の解説2005(第6版)』123ページに、以下のように記載があります。

鉄筋コンクリート造3階建の専用住宅など、法第27条及び第62条等により耐火建築物の法的義務づけがない建築物であっても、主要構造部を耐火構造とした場合においては竪穴を区画する必要がある。
また、自主的に主要構造部を準耐火構造として場合も同様に取り扱うこととする。

ではどういった場合に、「自主的に」耐火(準耐火)建築物になってしまうのでしょうか。
竪穴区画の規定である、建築基準法施行令第百十二条の9項の頭には、以下のように記載されています。

主要構造部を準耐火構造とし、かつ、地階又は三階以上の階に居室を有する建築物の・・・

つまり、主要構造部を耐火(準耐火)構造とした三階建以上の建物(通常三階建にすればそこに倉庫とか車庫だけというのは考えづらいのでほぼ全ての建物と考えてよいと思います)は竪穴区画が必要になります。

竪穴区画の住宅における緩和

住宅の場合には緩和があり、延べ面積200㎡以下のものは「吹抜け」、「階段」、「昇降路」については除外されます。通常住宅で200㎡を超えることはあまりありませんが、金額的に余裕があり、広さは200㎡以上、地震を考慮してRC造で全て躯体を全て作れば、三階建以上は階段に防火戸が必要になるということです。

しかし、この規定は一部でも主要構造部が耐火(準耐火)構造でなければ適用を受けません。例えば、準防火地域では、住宅であればで3階建かつ500㎡を超えなければ準耐火建築物にする必要はありません。

そのうえ、外壁や主構造をRC造としても、例えば階段や一部の床(但し一階を除きます。主要構造部ではないからです)を木造等にすれば、耐火(準耐火)建築物にならず、竪穴区画の規定も免除されるのです。

そのため、あたかも法規の抜け穴テクニックのように、階段のみを木造にして竪穴区画の免除を受ける設計をする人もいます。しかし、この規模であれば階段は一つで良いため、避難の時の要となる「階段」の、耐火性能を極端に落とすことになってしまいます。

安易にテクニックに走らず、コスト、リスク等を全て説明し、クライアントにとって最も良いと思われる決定をする必要があると思います。

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