耐火建築物は、主要構造部が耐火構造または政令で定める技術的基準に適合することに加え、開口部を防火設備とした建築物です。

この記事では、建築基準法上の耐火建築物の定義や、混同しやすい防火区画の耐火構造の規定との違いについて解説しています。

用途変更や適法改修に関する具体的なサポート内容については、ビルオーナーの方はサービス紹介ページ「建物の保有・運営者向け 既存建物の用途変更・適法改修支援」を、テナント事業者の方はサービス紹介ページ「テナント事業者向け 用途変更・適法改修支援」をあわせてご覧ください。

※2025.1.15改訂(2013.10.30公開)

\ お気軽にお問い合わせください /
ご相談やお問い合わせはこちら

耐火建築物の定義や防火区画の規定との違い

耐火建築物とは、建築基準法第二条9の二には下記のように記載されています。

イ その主要構造部が(1)又は(2)のいずれかに該当すること。
(1) 耐火構造であること。
(2) 次に掲げる性能(外壁以外の主要構造部にあっては、(i)に掲げる性能に限る。)に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。
(i) 当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
(ii) 当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
ロ その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るため に防火設備に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の 認定 を受けたものに限る。)を有すること。

つまり、主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根又は階段)を耐火構造にするだけでは足りず、ロの様に開口部を防火設備にすることが必要です。

また、耐火建築物の規定と、防火区画の耐火構造の規定はよく混同されますが、準耐火建築物の区画であれば、面積区画(施行令百十二条1項)、竪穴区画(施行令百十二条9項)、異種用途区画(施行令百十二条12、13項)は、それぞれ耐火時間の差はあるものの準耐火構造でよく、耐火構造にする必要はないのです。

しかし、逆に防火区画の壁や床は主要構造部にあたるため、耐火建築物の場合は準耐火構造では足りず、耐火構造とする(イ-1)か、政令基準を満たす(イ-2)必要があります。

防火区画の規定が「主要構造部を耐火(準耐火)構造にした建築物で・・・」という文言で始まることや、施行令で詳細が規定されるため、見落としがちですが、耐火建築物の定義の部分でそもそも主要構造部を耐火構造とするか政令規準を満たすことが規定されているということを忘れてはいけません。

建物の法律家・建築再構企画は、建築主(ビルオーナーやテナント事業者)向けに無料相談や適法化に向けた各種サポートや建築士向けの法規設計サポートを行っています。建物に係わる関連法規の調査や各種診断、改修や用途変更に必要な手続きを行っています。既存建物の用途変更・ガイドライン調査・構造調査・適法化に向けた各種改修などにお困りの方は、お問合せフォームよりお気軽にご連絡ください。

\ お気軽にお問い合わせください /
ご相談やお問い合わせはこちら

耐火建築物・建築基準法に関する事例・リンク

耐火建築物・建築基準法に関連する記事や関連するサービスページ、事例などを以下にまとめています。

サービス紹介ページ「建物の保有・運営者向け 既存建物の用途変更・適法改修支援」

ビルオーナー向けに、既存建物の用途変更や適法改修に関する各種サポート内容について紹介しているページです。用途変更や適法改修の設計・コンサルティング業務での成果物を交えたサポート内容、導入検討や稟議の添付資料として役立つダウンロード資料、用途変更や適法改修に関する事例一覧などをご覧いただけます。

サービス紹介ページ「テナント事業者向け 用途変更・適法改修支援」

テナント事業者向けに、テナントビルなどに入居する際に発生する用途変更や適法改修に関するサービスについて紹介しているページです。用途変更、適法改修支援、ガイドライン調査、新規出店支援など、各サポートの流れや内容を実際の成果物を交えて具体的に紹介しています。

事例紹介「用途変更・適法改修事例一覧ページ」

建築再構企画が支援した用途変更やガイドライン調査、適法改修などの事例を一覧形式で紹介しているページです。用途別や各種サービス毎に検索して、個別の事例を確認することも可能です。

あわせて読みたい参考記事

主要構造部を耐火(準耐火)構造にした建築物の竪穴区画
主要構造部とは?