※2025.1.15改訂(2013.11.28公開)
階段下の倉庫に区画は必要?
「自主的に主要構造部を耐火(準耐火)構造にした建築物の竪穴区画」に書いたように、階段の竪穴区画は、住宅でも規模が大きい場合は必要になる場合があります。
そのような竪穴区画の必要な階段下に倉庫を設ける場合、その倉庫と階段は区画しないといけないのでしょうか。
当然、階段の外周は竪穴区画が発生しているので、(避難階段でなければ)準耐火構造の壁と防火設備(防火戸)で囲まれているはずです。
そのため、その中にある倉庫と階段は、区画する必要はないのでは?と思いますが、厳密に法文を読んでみると、区画する必要があることが分かります。
建築基準法施行令百十二条の9項の条文は、
主要構造部を準耐火構造とし、かつ、地階又は三階以上の階に居室を有する建築物の住戸の部分(住戸の階数が二以上であるものに限 る。)、吹抜きとなっている部分、階段の部分、昇降機の昇降路の部分、ダクトスペースの部分その他これらに類する部分(中略)については、当該部分(中 略)とその他の部分 (中略)とを準耐火構造の床若しくは壁又は法第二条第九号の二、ロに規定する防火設備で区画しなければならない。
となっています。非常に読みにくい条文で、最初は戸惑いますが、要は複数階にまたがる(縦に繋がる)部分は火災時に、避難上最も危険な要因である煙が拡散する恐れがあるため、他と区画しましょう、ということなのです。
そこで先程のはなしに戻ると、階段と倉庫は法文に照らせば、「当該部分」と「その他の部分」に当るため、区画が必要ということになるのです。
建物の法律家・建築再構企画は、建築主(ビルオーナーやテナント事業者)向けに無料相談や適法化に向けた各種サポートや建築士向けの法規設計サポートを行っています。建物に係わる関連法規の調査や各種診断、改修や用途変更に必要な手続きを行っています。既存建物の用途変更・ガイドライン調査・構造調査・適法化に向けた各種改修などにお困りの方は、お問合せフォームよりお気軽にご連絡ください。
階段の竪穴区画・建築基準法に関する事例・リンク
階段の竪穴区画・建築基準法に関連する記事や関連するサービスページ、事例などを以下にまとめています。
サービス紹介ページ「建物の保有・運営者向け 既存建物の用途変更・適法改修支援」
ビルオーナー向けに、既存建物の用途変更や適法改修に関する各種サポート内容について紹介しているページです。用途変更や適法改修の設計・コンサルティング業務での成果物を交えたサポート内容、導入検討や稟議の添付資料として役立つダウンロード資料、用途変更や適法改修に関する事例一覧などをご覧いただけます。
サービス紹介ページ「テナント事業者向け 用途変更・適法改修支援」
テナント事業者向けに、テナントビルなどに入居する際に発生する用途変更や適法改修に関するサービスについて紹介しているページです。用途変更、適法改修支援、ガイドライン調査、新規出店支援など、各サポートの流れや内容を実際の成果物を交えて具体的に紹介しています。
建築再構企画が支援した用途変更やガイドライン調査、適法改修などの事例を一覧形式で紹介しているページです。用途別や各種サービス毎に検索して、個別の事例を確認することも可能です。