法律違反?条例違反?

■法律と条例の違い

保育所・託児所等設置への障害」のページに、都内や横浜市内では条例によって、0㎡からバリアフリー法の規制がかかるという話を書きましたが、この規定に違反した場合には単に条例違反になるだけで、法律違反にはならないのではないかという質問を頂きました。
良い機会だと思ったのでここで紹介したいと思います。

建築基準法や、バリアフリー法等は言うまでもなく国が定めた「法律」です。これに違反すると法律違反になり、重ければ懲役を受ける罰を受けることになります。

ここで、少し話はそれますが、法律の範囲について確認したいと思います。
法律は、民法、商法、建築基準法、消防法、バリアフリー法等で、国権の最高機関であり、立法機関である国会で制定されます。
また、~法施工令という、行政機関である内閣が定める政令、~法施行規則という各省庁の大臣が定める省令があります。
法律で大まかな方針を定め、政令や省令で細かな数値規制や運用方針を定めるという構成になっていることが多いです。
法律の条文において、「・・・の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。」という書かれ方をしている場合などです。
このような構成になっているのは、法律を改正する場合には国会で審議されることになり、野党の反対などがあれば長い時間がかかる場合もあり、大きな災害や事件があった際に首相や大臣の判断で速やかに対応ができるようにするためです。
そのため、施行令、施行規則に違反した場合も法律違反をしたことになるのです。

一方、条例はその地域の特性に応じ、地方公共団体(東京都23区や市町村)が定めるもので、法律ではありません。罰則も罰金のみで済むことが多く、最近では少な くなりましたが、利益重視の企業などはこの罰則が比較的軽微なため、条例違反は厭わないという方針で、批判を受けたりすることもありました。

今回の質問のケースは単に条例違反なのではないか、法律違反には当らないのではないかというものでした。
答えは「ノー」です。
これは建築系の法規(建築基準関係規定という)に良く見られる形式ですが、法文の中にその法律で定めた以上の内容を、地方公共団体等が制限を付加することができるという文言を書いているのです。
たとえば先程のバリアフリー法では、第十四条の3項で、

地方公共団体は、その地方の自然的社会的条件の特殊性により、(中略)高齢者、障害者等が特定建築物を円滑に利用できるようにする目的を十分に達成することができないと認める場合においては、(中略)条例で必要な事項を付加することができる

と記載されています。
つまり、法律で定められたおおまかな方針について、地方公共団体でその方針を定めてよいこととしているのです。先述の法律と政令の関係が法律と条例の関係に置き換わった構成になっているのです。
そのため、条例で決められた数値ではあるものの、それに従わなかった場合には法律違反ということになるのです。

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