敷地は都内の閑静な住宅地。
ミニ開発によって作られた戸建て住宅が立ち並ぶ地域である。ミニ開発とは、一つの敷地を建築基準法上最低限必要な「位置指定道路」と呼ばれる私道を設け、それに接道するように極小の敷地に細分化し、小規模の建売住宅を建築する方法を言います。これにより都心近くでもマイホームを持ちたいという夢をかなえることができるようになった反面、隣地に密接しているため、居住環境の悪さや防災面に関する問題点が指摘されてきました。
今回の計画は、その中の5住戸からなる一団の土地の一部の建替えを行いました。敷地はミニ開発を前提としていたため、建坪は8坪強という極小の敷地でした。クライアントからは「そもそもこの土地で住宅が成立するのか?」というところから検討して欲しいと言われました。
クライアイントから求められた要望は多く、その上二階を賃貸で貸したいと言います。そこで、地下緩和、ロフトの緩和も利用して、建築可能な最大容積いっぱいに建物を建て、なおかつ通常考えられる寸法より一回り小さい寸法で全てを詰め込むことで、要望に応える方法を考えました。求められた部屋一つひとつの大きさを独り暮らしに十分な規模まで縮小したのです。
吹抜けや角地立地を活かした大きな開口を設け、部屋と部屋の緩やかなつながりに注意して配置しました。また東側は道路も広く視界が抜けさらに緑地が広がっていたため、テラスを設けました。
東京にはまだまだ数多く存在する、ミニ開発の更新に対してささやかではあるけれど、新しい解答を示せたのではないかと考えています。
作品は新建築住宅特集2008年五月号にも掲載されました。
トウキョウゲストハウスの写真
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