オフィスビルの事業性検討から行った1棟まるごとホテルに用途変更したプロジェクト。
建築再構企画は、不動産デベロッパーに購入検討を依頼しようと考えているホテル運営会社から、用途変更可能な物件かの法的な事前検証や、ホテルとしての収支が成立するかどうかといった事業性の検討依頼を受けました。
物件購入後は、オーナーである不動産デベロッパーから、プロジェクトマネジメント(PM)業務及び設計業務を受託し、デザイナーを含む数多くの関係者間の調整をするなど、設計統括・事業推進コンサルティングを行い、プロジェクト実現に貢献しました。
プロジェクトの概要
建築再構企画は、ホテルの不動産開発・コンサル事業まで行うホテル運営会社が、不動産デベロッパーへ物件購入の検討依頼するのに先立ち、本物件の用途変更の可否、及びホテルの事業性検討に必要な宿泊室の個数、面積がどれくらい確保可能かの検討を同社より依頼されました。
最終的に、物件を購入することになった東京建物不動産販売と設計・監理業務契約を締結し、今度はPM兼設計者として業務を推進しました。
資料調査・現地調査により、建物の竣工後、都市計画道路が整備されたことによって敷地面積が減少したことから、容積がオーバーしている状態(既存不適格)であることが分かりました。また、既存建物の一階の大部分が駐車場になっていましたが、ホテルとしての利用を考えると、駐車場は敷地近隣へ隔地駐車とし、建物の顔となる一階はフロントやレストランとして利用する方が好ましいと考えられました。
容積緩和を受けられる駐車場を、レストランやフロントの用途に変更すると、容積がさらに増えることになりますが、駐車場法・駐車場条例に関わる協議、及び既存不適格の状態から用途変更する場合の考え方を金沢市、及び指定確認検査機関と綿密に協議しこれを実現しました。
建築基準法では、既存不適格の建物を増築する場合は、容積をオーバーすることはNGと言及しているのですが、用途変更の場合は、特に言及していません。そのため、既存不適格の建物を用途変更する際は容積がオーバーしてもそれについては問わないということを金沢市と指定確認検査機関の双方に確認しました。
内装デザインは株式会社スペースが担当し、兼六園の冬の風物詩である「雪吊り」のコンセプトにしたデザインを展開しました。二階の床を撤去して新たに設けた吹抜けには、STUDIO SAWADA DESIGN作成の巨大な雪吊りのアートを吊り下げました。
建築再構企画はPMの立場でデザイナーと協働し、実施設計段階では主に性能面やコストに関しての調整、監理段階では施工図を通してデザイナーと情報共有を行い、デザインコンセプトを損なわないような現場調整、監理を行いました。


設備開口による鉄筋切断の本数を把握し、
補強を検討
性能を担保しつつコストを抑えるため
適切な防火区画壁の仕様を提案
建築再構企画のサポート内容・ポイント
本プロジェクトで建築再構企画が行ったサポートは以下の通りです。
- デベロッパーへの物件購入依頼に先立つ事業性の検討
- 丁寧な法規の検証によって客室面積の効率を最大化
- 設計段階での資料調査、現地調査による延べ面積、緩和面積の正確な把握と調整
- オーナーやデザイナーなど多岐にわたる関係者間の調整
- デザイナーの意図を実現する実施設計・監理
建築再構企画は、ビルオーナーや事業者など建築主向けの無料法律相談や、建築士・設計事務所向けの法規設計サポートを行っています。代表的な業務内容や費用の目安については、サービスメニューと料金のページで詳しく紹介しています。
プロジェクト基本情報
事業主 | 東京建物不動産販売株式会社 |
総合企画 | 株式会社エイジェーインターブリッジ |
所在地 | 石川県金沢市 |
延べ面積 | 2,419.13㎡ |
構造 | 鉄骨鉄筋コンクリート造 |
事業内容・用途 | ホテル |
写真提供 | TAKUYA YAMAUCH |
内装デザイン | 株式会社スペース |
雪吊りアートデザイン | STUDIO SAWADA DESIGN |
金沢のホテルの写真






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