[川崎市の用途変更事例]検査済証未取得に対処し、物販店舗から福祉施設への用途変更を実現

新規にデイサービス(高齢者用通所介護)の事業所を開設し、開業認可取得のために、検査済証未取得の物件に対して用途変更の確認申請ができるように適法性調査を行ったプロジェクト。
建築再構企画は、テナントである介護事業を行う株式会社ソーシャル・クリエイティング・コーポレーション(以下SCC社)から、検査済証のない物件の用途変更をしたいと依頼され、行政と協議を行い適法性を証明し、確認申請を行いました。
それとともに、オーナー・テナント双方の利害調整を行い、プロジェクト実現に貢献しました。

プロジェクトの概要

SCC社は、川崎市内で、本物件一階の店舗部分を改修し、新たにデイサービスの事業所を開設しようと川崎市の保険福祉局(福祉施設の開業認可の管轄部署)へ相談へ行くと、用途変更の確認済証の有無を問われ、「確認申請をしていない場合は介護施設としての認可の手続きを進めることはできない」と言われていました。今まで「用途変更」について聞かれたこともなかったので相談したい、と建築再構企画へ依頼が来ました。

介護保険法の改正により、認可事業を行うには、本計画の規模の事業所は、用途変更の確認済証が必要になりますが、新築時に完了検査を受けていない建物のため、用途変更の確認申請をするには新築時の適法性を事業者側で証明する必要がありました。

当時、ガイドライン調査などの検査済証の無い建物に対して、建築基準法の適合性を調査するための指針は出されていませんでした。
そこで建築再構企画は、川崎市と調査の方針を綿密に打合せし、その内容を報告書として提出し、当時の建築基準法と照らし合わせながら竣工図から確認申請図と構造計算書を復元しました。
そして既存建物を現地調査をし、復元図と照合して当時の適法性を証明する報告書(既存不適格調書)を作成することで、用途変更を提出できるようにしました。

それとともに、オーナー側と協議してフリーレント期間を延ばすことで、テナントが支払う為の調査費用を捻出しました。その代わりにオーナーには建築再構企画で行った調査資料や、復元した構造計算書、確認申請図書を提出することで、適法性を担保した証明書として提出しました。

また、このタイミングで用途変更の確認申請を通すことで、将来にわたって募集するテナントの選択肢が広がることを説明しました。テナント部分の設計だけでなく、建築の技術者としてオーナー、テナント双方にメリットのある枠組みであることを説明し、納得して頂きました。

建築再構企画のサポート内容・ポイント

  • 検査済証を取得していない建物を用途変更するため、その適法性調査と報告書(既存不適格調書)の作成
  • 既存不適格の証明に合わせオーナーとテナント双方が納得いく枠組みを調整

 

 

構造調査① 配筋調査:鉄筋探査機を上下左右に動かし、鉄筋のピッチを調査する 

 

構造調査② コンクリート強度試験:「コア抜き」を行い、供試体に荷重をかけて強度試験を行う 

構造調査③ コンクリート中性化試験:フェノールフタレイン溶液をかけ、中性化の深さを調査する

プロジェクト基本情報

事業主 株式会社ソーシャル・クリエイティング・コーポレーション
所在地 神奈川県川崎市
延べ面積 2,560㎡(うち改修計画部分558.10㎡)
構造 鉄筋コンクリート造
事業内容・用途 高齢者用通所介護施設(デイサービス)



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