建築デザインの専門誌『新建築』2019年3月号に、建築再構企画代表佐久間のインタビュー記事「既存建築ストックを活かすには」が掲載されました。このページでは掲載内容の概要と関連する情報を紹介しています。

2018年に建築基準法の改正が公布されました(公布2018年6月、一部施行2018年9月、全面施行2019年6月)。法改正の目的の1つに「既存建築ストック(既に建てられた建築物)の活用促進」が掲げられ、戸建住宅や大規模な建築物(木造以外の場合、2階建て以上か延べ面積200m2以上のもの)の用途変更や防火規制に関して合理化が行われました。

記事では、具体的な法改正の内容だけでなく、これまで既存建築ストックの活用が促進されなかった理由や歴史、法改正の問題点や課題、設計者が注意するポイントなどが解説されており、多角的な視点から既存建築ストックの問題がまとめられています。

掲載概要

掲載の概要は以下の通りです。

  • 2019年6月に全面施行された建築基準法により、戸建住宅などの用途変更について、確認申請が不要になる規模が100m2以下から200m2以下に拡大される。既存住宅ストックのうち、200m2以下のものは約9割を占めるため、住宅の多用途への転用がしやすくなる
  • 完了検査を受けていない既存建物は非常に多く存在している。そういった建物は用途変更する際に、福祉施設や学校法人など事業の認可を取得するのが難しい、改修に対して融資が下りない、といったことが起こりがちなため、既存建築ストックの活用は拡大しにくい状態だった
  • 確認申請が不要な場合の注意点として、建物が適法かどうかを公的に審査する機会がなくなるため、セルフチェックが必要になることが挙げられる。例えば住宅からシェアハウスへの用途変更は、採光規定や避難施設の規定、耐火性能などの基準が厳しくなるが、それらを自分たちでチェックする必要がある
  • 設計者は、200m2以下の戸建住宅の用途変更について、確認申請が不要であっても「何でもあり」ということではない、ということを施主や関係者に理解してもらうことが重要といえる
新建築2019年3月号表紙
新建築2019年3月号の内容

関連リンク

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