経営者・事業者の関心高まる、建物の法律の話

経営者・事業者のみなさんにぜひ知っておいていただきたいトピックがあります。いま、「建物の適法性の確保」という問題が起きています。保有、もしくは入居する建物が適法か、違法なのかが問われ、建物の価値や事業のスタートに大きな影響を与えています。

この「建物の適法性の確保」という問題が顕在化したのは最近のことです。2000年代のファンドの進出や、通称姉歯事件と呼ばれる構造計算書偽造問題がきっかけとなり、建物に関するコンプライアンスの意識が高まり、所有者の責任も厳しく問われるようになりました。

当社は設計事務所ですが、一般的な設計事務所とは異なるサービスも展開しています。その1つに、違法建築を適法化する改修を支援するサービスがあります。始めたきっかけは、相談を受けていた改修工事が「適法でない」という理由で中断してしまったことでした。

当時は、テナント・オーナー双方の建物の適法性への関心が低く、適法性を巡って温度差が生まれていました。守らなくてはいけないことなのにもかかわらず、理解が十分に進んでいませんでした。そこで設計者の私が間に立ち、「建物の適法性の確保」について説明し、是正の方法を検討する必要が生まれました。

このような状況が生まれた背景には、「完了検査を受けていない」、もしくは「違法な」建物の存在がありました。全国的にそのような不備のある建物が非常に多く、こうした原因と向き合わないと、「建物を所有することが大きなリスクになってしまう」と危機感を覚えていました。

そうした想いもあり、建物に関する法律への理解を深める活動の一環として、ホームページで建築基準法関係の情報を掲載したり、建物の所有者向けの無料法律相談を行ったり、他の建築士に持ち込まれた仕事の相談も受けていました。そうこうしているうちにノウハウが蓄積してきて、「ややこしい案件は、建築再構企画に任せておけば安心」と評判になりました。

弊社代表佐久間によるSYNQAでの講演
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