Tree House in the Tower

2011年に三井住空間デザインコンペに提出した案。

都心でも「自然」に囲まれて暮らしたいと思いました。

眼下に見える共用部の緑だけではなく、住戸の中にも「自然」を取り込めるようにしたいと思いました。

たとえ地面から離れて暮らしても、木漏れ日や、若葉の匂いからは離れて暮らしたくはない。眺望のみを求めるのではなく、あくまで自然な佇まいの中に暮らすことが可能な都心の住居を提案できればと思いました。

この「Tree House」では日常と非日常を融合させ特権的な視点を得ることを意図しています。

「特権的な視点を得る」というのは単に眺望を変える、ということではなく、生活に関わる全ての視点を変え、日常的に見える風景を変えるということではないかと考えました。

室内の、無機質でフラットな高いレベルは日常的な動作を行う場所。都心のタワーマンションの中で、さらに高い位置からの視点を得られます。

逆に人工芝が敷きつめられた低いレベルは非日常的な場所。都心であるにも関わらず、緑に囲まれた生活を送ることができます。

高低差のある住まい。それはかつての日本家屋の土間。

あるいは庭にあった手作りのブランコ。

そんなかつては当たり前にあった自然と人間、日常と非日常の間の部分を思い起こさせられればと思いました。

ここで作られた「自然」は人工的なものでフェイクに過ぎないかもしれません。

しかし、本物の自然の中では地形は起伏に富み、段差もある。そしてそれら環境の変化は子供から高齢者まで分け隔てありません。

そのような自然の「構造」をこの「Tree House」では再現しようとしました。