既存不適格建築物とは?(2) -既存不適格の範囲1:法と政令の関係と基準時-

■法86条の7で定められた適用しない範囲

既存不適格建築物とは(1)-法3条の2、法86条の7-でも記載したとおり、法86条の7は既存不適格建築物に対して、増築等をする場合に適用しない範囲を定めています。
その範囲が具体的に示されているのが令137条~令137条の15となります。
そのうち、
法86条の7、1項の「一定の規模以下」である範囲が令137条の2~137条の12
法86条の7、2項の「独立部分」についてが137条の13、14
法86条の7、3項の「不遡及である部分」でシックハウスの規定に関する制限の詳細が137条の15
に記載されています。
では137条には何が記載されているのでしょうか。
第137条には、既存不適格かどうかを判断する最も重要な指標の一つである「基準時」という言葉が定義されているのです。

基準時とは?

基準時とは、簡単に言えば、現行の法令に適合しなくなった時の事です。
しかし、現実にはこの基準時の考え方が結構ややこしいのです。
例えば、病院や、工場、倉庫等で多いパターンですが、何度も増築を繰り返した建物は、その増築工事の竣工時期が違うため、その間に何度か法改正があった場合には複数の基準時が存在することになります。
86条の7の1項の範囲は、主に面積で規定されているため、増築を繰り返した場合には、その基準時毎に面積が異なるので、法改正による規定がどの基準時のどの面積に於いて遡及されるのか、されないのかを個々に判断していく必要があります。
また、特定行政庁によっては、増築等の確認申請時にそれらの変更の履歴を既存不適格調書にまとめて添付しなければいけない場合もあるので注意が必要です。