確認申請とは?(3)-増築の場合の確認申請-

■建築物を増築する際に必要な申請行為

増築を行う場合にも、確認申請の提出が必要になる場合がほとんどです。
ここでいう「増築」という言葉の建築基準法上の定義はありません。ですが、実際の運用上は、「敷地内の既存建築物の延面積を増加させること」及び「敷地内の建築物を増加させること」※1と考えて良いと思います。
注意したいのが、上記の太字部分ですが、建築物とは?に記載したように建築基準法上「建築物」に該当する、門や塀等も敷地内に増やす場合には、たとえ面積が増えなかったとしても増築扱いになるという点です。

ここでもう一度確認申請とは?(1)の六条の引用部分の()内を見ると、「増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合(後略)」とあります。
では増築後でも四号になる場合はいらないのでしょうか?
これは二条の13項の「建築」の言葉の定義を見る必要があります。

建築:建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転することをいう。

つまり、増築も建築行為の一つにあたるので、四号の建物を増築する場合でも、六条の「四号に掲げる建築物を建築する場合」に該当するため、確認申請の提出が必要となるのです。
ただし、増築の場合には、六条の2に但し書きの緩和があり、「防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し(中略)、その増築(中略)部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。」こととなっています。

増築の内容の定義は、文章だけで説明しても非常に分かりにくいのでここで事例を挙げてみたいと思います。

1. 95m2のレストランに9m2のトイレを増築する。
2. 防火地域にも準防火地域にもあたらない地域で、住宅の敷地内の3台停められる駐車場に雨避けのためのカーポートを設ける。
3. 防火地域で、住宅の敷地内の3台停められる駐車場に雨避けのためのカーポートを設ける。
4. 防火地域で、住宅の敷地内にイナバ物置を買って置く。
5. 防火地域で、マンションの屋上にイナバ物置を買って置く。
6. 防火地域にも準防火地域にもあたらない地域で、住宅の11m2の吹抜けをなくして床を張る。
7. 防火地域で、オフィスの竣工時に不停止にしていたエレベーターを二階にテナントが入るので停止するように改修する。

上記はいずれも建築基準法の増築行為にあたります。そしていずれも確認申請が必要な行為です。
1.は一般的な意味での増築で、増築後において第一号(100m2を超える特殊建築物)の規模になるため、確認申請が必要になります。
2.は防火地域・準防火地域以外の地域であるため、10m2未満の増築であれば、確認申請は不要となります。ここで増築の定義に戻りますが、「敷地内の既存建築物の延面積を増加 させること」となります。字面だけ見ると、1.の例の様な元の建物を増床する場合と捉えてしまいそうになりますが、別棟として既存の建物と不可分な別建築物を同一敷地に追加で建築する場合も増築となります。(可分、不可分の話は非常に煩雑なため、ここでは割愛します。このコラムでもいずれ取り上げてみたいと思います。)
ではカーポートは床面積が発生するのでしょうか。屋外だし、屋根と柱しかないカーポートはそもそも建築物ですらないのではないか?と思うかもしれません。
しかし、建築基準法の二条の1項に、建築物が明確に定義されています。

建築物:土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(後略)

この定義に従えばカーポートは建築物になります。
では床面積は発生するのでしょうか?これも建設省住宅局建築指導課監修の「床面積の算定方法の解説」の建築物の床面積の算定の項の「3 (前略)傘型又は壁を有しない門型の建築物」の項目に、「屋内的用途に供する部分は、床面積に算入する」とあります。
駐車場は屋内的用途にあたるのだろうか?と思われるかもしれませんが、先の「解説」の中には「自動車車庫」は「屋内的用途に供するものとして、床面積に算入する」と記載されています。
そのため、例えカーポートの新設であっても床面積が発生するため、10m2を超えれば(3台分設ける場合はまず10m2を超えます。2台分でも小型車用でなければ10m2は厳しいかもしれませんのでご注意下さい)確認申請が必要になるのです。
3.~5.は防火地域のため、1m2でも増築をする場合には確認申請が必要になります。上記の定義に従えば、カーポートだけでなく、市販の物置も建築物に該当することが分かると思います。
6.は今までのケースとは違い、既存の建物を大きくしたり、新たに建築物を作ったりする内容ではないですが、「床面積を増加させること」になるので10m2を 超えれば確認申請が必要になります。むろん、防火地域等では1m2でも確認申請が必要になるため、渡り廊下を設置する等も申請が必要になるので注意が必要です。
7.はややレアケースですが、上下階で貸す前提で計画していた建物を、各階それぞれで別テナントに貸すようにし、エレベーターを 改修してどちらの階にも停止するようにした場合には、エレベーターシャフト部分の面積が算入されるようになります。そのため、床面積が増加し、確認申請が必要 になるのです。

いずれの場合も床面積が増えるので、建蔽率、容積率がオーバーしないかも十分に確認し、計画するようにしてください。

※1 「敷地内に建築物を増加させること」という項目を追記しました。以前は「敷地内の延面積を増加 させること」と記載していましたが、東京都建築指導課等の見解を伺ったところ、上記の見解となっているようです。そのため、本コラムの内容を訂正しまし た。(2012年2月17日)

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